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【コモンシナリオ】一日の始まりは自宅から【戦闘あり】【リアクション2】

<リアクション2> <1はこちら
 7 それぞれの一歩(2)

 佳波 まどかはまんげつ造の一室を間借りしていた。子供達が泊っている区画と同じ場所を選び、眠れない子達がいれば一緒のベッドで寝たりもしていた。
(こうしていると、私も寂しくないなあ)
 この日、一緒に寝た子供達とそのまま部屋で遊びながらまどかはそんなことを思っていた。
 昼食は終わったが、自分はもちろん、子供で胃の小さい彼等が満足できる量ではなかった。ちゃんとお腹いっぱい食べてもらいたい。新鮮なものを、美味しく。それに、この前のように残っている食材を持ってくるのでは在庫は減っていくだけだ。
(野菜を作りたいな……)
 そして、まどかが出した一つの結論がこれだった。
 しかし、野菜は植えても育つまでに時間が掛かる。それなら、今すぐに植えた方がいい。種が育つまでは、酪農の手伝いをしよう。
 野菜育成にも影響すると思って気候を確認してみると、十二ヶ月春夏秋冬を教えてくれた。
「ねえ、農業に詳しい人とか、酪農に詳しい人とか居る? それと、牛がいるみたいだけど近くに牧場があるの?」
「草野さんと丑野さんが居るよー」
「草野さんは畑にいるよ。牧場はないけど牛舎があって、丑野さんはそこにいるよ」
「二人ともやったことなかったけど、がんばってくれてるんだ」
「あたしたちもお手伝いするんだよー」
「草野さんと丑野さん……」
 覚えやすい名前だ。
 まどかは迷った。彼等にすぐに話を聞きに行くべきか、準備をしてから行くべきか。
(……せめて、種を買って行こうかな)
 使える道具があればそれも確保しておきたい。
 まどかはそう決めると、子供達と別れてまんげつ造の外に出る。自転車に乗ると、彼女はホームセンターに向かった。

☆★☆★☆★☆彡


 ネルネ・ルネールネは切菜に言われた橋の建設計画を手早くまとめると、自宅にしている煉瓦倉庫を出た。
 まんげつ造に行く途中で、少年少女と話している切菜を見つけた。話が終わり、再び歩き出すまでに近付こうとうぞうぞと移動していたら、先に切菜が振り向いた。
「ネルネさん。……あ、大丈夫よ。ネルネさんはいいスライムだから」
 後半の言葉は少年少女に向けたものだ。それでも、彼女達は慌てたように去っていった。
「お邪魔してしまいましたかな」
「いいのよ。新しく作る服についてアンケートしてただけだから」
 切菜は気軽に言うと、ネルネを見上げた。
「それで、どうしたの?」
「はい、橋の件でご相談したいことがありまして」
「ああ、橋の件ね! それで、どう? 出来そう?」
 目を輝かせた所を見るに、彼女は余程、橋を修復したいらしい。
「造ることは可能です。ですが……あえて水底トンネルに変更いたしませんか」
「水底トンネル……?」
 切菜は眉を顰めてすぐには答えを返さなかった。それがどんなものか想像しているのかもしれない。
「……どうして、水底トンネルに?」
「はい」
 よくぞ聞いてくれました、というようにネルネは饒舌に話し始める。
「隣県の状況はまだ判っていませんよね。橋を直すにしても、土台と橋脚を作り、その上に橋桁を渡すという工程が必要になります。水上で行うこの工程は、逆岸からでも目につきやすいです」
「……つまり、橋を直していることが隣……宇尾県にバレるということね」
「宇尾県というのですね……はい、そういうことでございます。もし宇尾県に水花芽県を恨む子供達やモンスターが存在していた場合、彼等は先んじて迎撃の準備を整えることが可能となります」
 橋に壁を作っても、この迎撃リスクを防ぐのは難しいだろう。
「……確かにその通りね」
「その点、水底トンネルであれば、通ってしまうまでは製作を悟られない可能性が高いのです。もし、外の者がこちらに殺到しそうになっても構造上封鎖もしやすいです」
「…………」
 切菜は冷静な表情で考えているようだった。頭の中でいくつものシミュレーションが行われては消えていくのが透けて見えるようだった。
「でも……水の中で作業をするというのは普通に橋を作るよりも遥かに大変じゃない? 子供達が手伝うとしても、危険だし……地上で手伝うのなら、ネルネさんの言った宇尾県側に感づかれるかもしれないわ」
「幸い、私は溶かして進むのに誰よりも適した『スライム』でございます」
 ネルネは職人の誇りも滲ませて切菜に微笑みかける。どこまでその微笑みが伝わったかは不明だが、切菜が示した反応は小さなため息だった。
「考えてても仕方ないわね。こちらから手伝いは出せないけど、出来るのならばやってほしいわ。急がなくてもいい。パンデミックからもう八ヶ月が過ぎてる……。今更急いでもという気もするから」
「わかりました。ありがとうございます。それでは製作に取りかからせていただきますね」
 恭しくお辞儀をすると、その仕草がユニークだったのか切菜はくすくすと笑った。
「あ、ネルネちゃんに切菜ちゃん!」
 そこで、自転車に乗ったまどかがこちらに近づいてきた。目の前まで来てブレーキをかけると、彼女は言う。
「ちょうど良かった。今、夕御飯のメニューを考えてたんだ。二人とも、食べられないものとかある?」
「……私は、香りが強いものが苦手なの。バクチーとか、セロリとか」
 切菜が答え、ネルネも自らの味覚嗜好について丁寧に話す。
「ありがとう! じゃあまた夜にね!」
 まどかはペダルを漕いで去っていく。それを見送りながら、ネルネは思った。
(せっかくですし、夕飯を頂いてから帰ることにいたしましょう)
 今から夜が楽しみだ。

☆★☆★☆★☆彡


 ホームセンターに行く途中、まどかは更にヴォルクにも出会った。彼にも食べられないものを聞くが、「わんわん!」と言うだけで何と言っているか分からない。
「タマネギ! タマネギだけは入れるなよ!」
 と言っているのだがさっぱりであった。彼女の持つ翻訳機には犬語翻訳はついていない。ヴォルクの持つ翻訳機は『犬が使える用』という意味での犬専用で犬語翻訳も出来るのだがヴォルクはあえてその機能を切っている。
「……よく分からないな……お肉料理にしておけば間違いないかな?」
「わうっ! わうっ!」
 ヴォルクは一際大きな声で鳴き、それを肯定と取ったまどかは彼には肉料理を作ることにした。

☆★☆★☆★☆彡


 電信柱にマーキングを済ませると、ヴォルクはまた歩き出した。ハジメにブラッシングをさせた結果ツヤツヤになった彼は、群を作るために犬を探していた。何をするにしても、犬は群で行動してこそ真価を発揮する。
 群を作るなら分かりあい易いであろう同じ犬族がいいだろう。異形種は観察及び研究をしてからの方がいい。
 ――そして、そう考えるのはヴォルクだけではない。
「俺達のテリトリーにマーキングしたのはてめえか?」
 どこぞの家の塀の上から唸られて見上げると、ヴォルクと同じくらいの体躯――だったのだろうが痩せている――の柴犬が彼を睨み付けていた。尻尾がくるりとしている。
「すっきりしてえなら他でしな。俺の臭いがしないところでな」
 この柴犬だけではなく、塀の向こうにたくさんの犬がいるのが臭いで分かる。様々な臭いが入り交じっている。この辺りに人はいない。完全に犬達だけの領域なのだろう。
「分かった。これからここは俺の臭いで満たされるから問題ないな」
 ヴォルクの家はまんげつ造の一室であり、それはもう変わらない。施錠はしないし、最終的に帰る場所もそこだ。
 だが、自分はこの犬達の長になる。そうなればヴォルクの臭いが一番強くなるわけで、挑発するつもりはなかったが挑発に取れるということも自覚していた。
「何だとぉ!」
 柴犬が激昂する。飛びかかってきた彼と肉弾戦になり、「がうっ」「がおうっ」という吠え声が響く。ヴォルクには高校生レベルの知識がある。元の世界でも知識を応用して戦っていた為、場数もあった。尚、犬流格闘術の名前は募集中だそうだ。
 結果としてヴォルクが勝利を収め、別犬のように「きゅうん」と鳴く柴犬に言う。
「今、大人を欲した者達が別世界から人を召喚しているのを知ってるか?」
「召喚?」
 ヴォルクは愛依達のことを話す。すると、柴犬の目がキラキラと輝き始めた。
「マジか!? てことは、また美味いドッグフードが食えるようになんのか!?」
「ドッグフードならねだればすぐに貰えると思うぞ。人間が食べないからそのまま残っている筈だ。肉も、今は殆どが冷凍肉だがそのうち新鮮なのが食えるようになる」
「うおおおおおおおおおお!! てめえら! 出てこい!」
 柴犬は叫び、彼の号令に従い、塀の向こうから犬達が出てきた。
(ん……?)
 中に一匹、変なのが混じっているが――
「そういうことなら、俺達も協力すんぜ! いや……兄貴についていくぜ! 昔みてえな暮らしができるようになんなら何でもしてやる!」
 柴犬と共に、犬達も吠える。こうして仲間を増やしたヴォルクだったが、それより何より訊かなければいけないことがあった。
「おい、そのクラゲはなんだ?」
 群の中にクラゲがいた。空中をふよふよと浮いている。
「ああ、こいつは空クラゲっつーモンスターだ。兄貴の世界にはいねえのか? 治癒魔法が使える」
「空クラゲのクラ―っす! よろしくっす!」
 と、クラゲは言った。

 陽は落ちかけている。だが、この距離ならまんげつ造に戻ってからでも寝られるだろう。
 時には野営をしなければいけないこともあるだろう。その時にはケーブルテレビで見たサバイバル知識も役に立つだろうが、ヴォルクは今日は群を連れて帰ることにした。
(うまい飯も待ってるしな!)

☆★☆★☆★☆彡


 公 玲蘭は、まんげつ造を見渡せるマンションの一室に住んでいる。階層は高めだ。ここからなら、まんげつ造の外広場を始め、その周囲まで確認できる。家に居ても、子供達に何かがあったらすぐに駆け付けられるだろう。
 本当は、子供の護衛の為にまんげつ造に住みたいという気持ちもある。だが、唯我が別に住んでいること、その理由を聞いて彼女はこのマンションを選んだ。
「ん……」
 窓から差し込む朝日が彼女の顔を照らす。眩しさで目を覚ますと、身を起こす。
 格好自体は、一人だから下着がチラ見するネグリジェ姿だ。だが、彼女の目に油断はなかった。この世界にはモンスターもいるし、召喚者による子供達への暴行事件もあった。すぐにベランダに出ると寒風が肌を撫でたが、気にせずにまんげつ造を見渡す。
「…………」
 異常は起きていないようだった。それでも油断なく視線を巡らせ、安心したところで室内に戻る。シャワーを浴びると、冷えていた肌に熱い湯がかかり心地良かった。
 朝食を摂って着替えると、玲蘭は情報を整理しつつこれからの事を考えた。
(物資の不足分は、いずれ森に行き自給自足の基盤を作る必要があるでしょうね……)
 つまり畑や牧場だ。
 この時点で、玲蘭はまだセラスが畑や牧場に適した草原を発見したことを知らなかった。故に、それには時間が掛かると思っていた。
「まず、目先の問題として食料ですが……」
 玲蘭は席を立ち、本棚に挿していた地図帳を広げた。
「街中、ないしは郊外に食料が残っていそうな場所は……」
 食料を扱っている場所はたくさんある。だが、見れば見るほど、食べ物はもう回収された後じゃないかという気がして仕方なかった。
 地図と格闘すること三十分。悩みに悩み、玲蘭は中心地から外れた場所にあるデパートに目星をつけた。売り場にある食品は無くなっているか、あってもダメになっているかだろう。しかし、従業員しか入れないエリアになら、まだ食料が残っているのではないか――
 そう結論づけると、玲蘭はマンションを出た。外では、何人かで寄り添って時を過ごす少年少女達を何組も見た。誰もが、栄養の足りなそうな体躯をしている。
(子供達のお腹を空かせるわけにはいかない……)
 玲蘭にとって、子供という存在はかなり大事だ。
 気を引き締めて、彼女は件のデパートに向かった。
 
 8 ××を食べる少年

 東に窓がある部屋を選んだ霜北 凪は、日の出と共に目を覚ました。最初のうちは早起きしすぎてしまうのが難だったが、今は朝食前にランニングするという健康的な習慣が身に着いた。
「怠けすぎた体を絞ってかないと、やることだけは一杯あるからなあ」
 いつの間にか定番となったランニングコースを回って帰ってきた凪は、空を見上げつつ慶太の顔を思い浮かべていた。
「さて」

 一日は挨拶から始まる。火葬場に慶太が来たのは昼過ぎだったので一日の半分は既に過ぎていたが、要するに仕事の始まりイコール一日の始まりなのだ。そして仕事とは、
「今日も一日ご安全に!!」
 火葬場にツナギと安全靴姿の凪の声が響く。彼と向かい合っていた慶太はへ? という顔をした。
「何それ」
「工場や建築現場なんかで使われる挨拶だ! 『ゼロ災で行こう、ヨシ!』ってのもあるぜ。これは最後に腰に手を当てて前を指さすんだ。こう、ビシッと!」
「へー! じゃあ『今日も一日ご安全に!! ゼロ災で行こう、ヨシ!』」
 慶太は二つセットで言うと、ビシッと前に指さしした。
 挨拶が終わると、凪は慶太に安全ヘルメットと感染症予防のためのマスク、手袋を渡した。
「何これ」
「何これじゃなくて。そんな無防備な格好で作業してて、今まで何の病気にもかからなかったことが奇跡なんだぜ! 衛生面を考えて、ちゃんとつけるように!」
「はーい」
 凪のツッコミを受けて、慶太は素直に装備品を身に着けた。
「んじゃ、今日の作業からこのフォークリフトを使うぜ! つーかこれこの前もあったよな? 背景に溶け込んでたよな? 慶太くん、これを使えばパレット積んで搬出ができるよーになるから、仕事が捗るぜェ?」
 子供達が恐らく名前をつけて育てているであろうニワトリをどうこうするとか、他にも誰もやりたがらない仕事はある。だが、春が近くなり、気温が上がるにつれ回収しきれていない遺体は臭いが目立つようになるだろう。
 まずはこっちの『片付け』の目鼻をつけないとと凪は考えていた。
「おじさん、乗れるの!?」
「ああ、任せとけ!」
 遺体の安置所に行くと、凪はフォークリフトを使い、搬入口から遺体を回収、山を積み上げていった。一旦フォークリフトから降り、山を見上げる。所々で光っているのは個人識別用のタグだ。
(……タグがない遺体が多いのは何でなんだろうな)
 この前、慶太はサラッと流していたが、そこだけマジトーンだったような気もする。二度聞きは難しそうだった。そうなれば、推理するしかない。
(確か、タグがある骨は家族の子供に返すって言ってたな。じゃあ、タグがないのは地元水花芽県の外から来た人間かあ?)
 衣服、体格、年齢、性別――タグありとタグなしとの間で何が違うのか。例えば、いいものを着てて肉付きがいいのが多ければ支配者層や富裕層ということになると思うが。 
「そこで炸裂、目星ロールッ!」
 手には檜の棒を持っている。これは魔法スティック代わりだ。
「今日は、俺様華麗に舞ってみせるぜ!」
「……ん?」
 工場から出てきた慶太がちょうどそこを目撃した。魔法少女のような動きをしている体格の良い三一歳男性を見て、開けかけていた飲み物のボトルをポトリと落とす。
「だららららららら……こいつだ!」
 凪の目星ロールなるものが選んだのは、タグのない標準体型の男だった。
「うーん、彼は……腕時計の値段は五千円くらい……食べ物にも特に困っていなかった……それでだ……」
 それで、の後が出てこない。身元が判らないからタグがないわけで、観察しても判るのは年齢や収入状況程度のものだ。出身地までは分からない。なぜ身元が判らないのか、それは――
「身分証明書がなかったからだ!」
「そうだけど……さっきの何?」
 やっと硬直が解けた慶太が話しかけてくる。振り返り、凪は勢いよく答えた。
「目星ロールだぜ慶太くん!」
「? ? ?」
 慶太には伝わらなかったらしい。
「何で身元が判らないか、考えてたの? それには、理由があるんだ」
 そして、彼は説明してくれた。
「大人達は全員死んだ。自分の親のこーゆー姿を見たくないって子供は多かった。だから、遺体安置所に近寄らない子供がたくさんいた。身分証明書がないのはね、泥棒に遭ったからだよ。身分証明書泥棒。死体から、身分証明書を片っ端から抜いていく泥棒」
「……そんなもん盗んでどうすんだ?」
「勿論、身分を判らなくさせるためだよ。当時は俺もまだこーゆーことしてなかったし、遺体はそのまま放置されてた。身分が判らなければ誰も回収しない。そうすれば、その『遺体』はモンスターの餌になる。食料を手に入れる為に、あいつは身分証を盗んだ」
「モンスターの食糧を手に入れる為に、か?」
「そう。彼の母親はモンスターだから。狼人間だ。俺も本人から聞くまでは知らなかった。世間には隠してたことだったからね」
「本人って?」
「屍蔵 聖(しくら ひじり)。死んだ首相の息子だよ」
「父親が、首相……へーえ、そりゃ隠しても仕方ないな」
「立場ってもんがあるからね。あいつ一人だけじゃ、タグを回収することしか出来なかった。けど、仲間を集めて遺体も回収するつもりだった。それを、俺達が先にやっちゃったってわけさ。今は、あいつは……俺の集めた遺体を盗んでは自分で食べてるよ。母親は死んだんだって。それも食べたらしいけど……」
「自分で食べてる!? 母親も!?」
「半分は狼人間だから。食べられるらしいよ。他にも、モンスターを殺して食べたりとか……悪食にも程があるよね。ハーフどころじゃない、あいつはモンスターだ」
 慶太の顔には珍しく嫌悪感が現れていた。それも無理のないことだろう。
「でも、それに同意する子供達がいる。食べられるものを食べないのは、死者を増やすだけだ。生き残る為には、何でも食べないといけないって……子供達はさすがに大人を食べたりはしないけど、モンスターは殺して食べているらしいよ。だから、あの集団からは死者が出てないんだ……」
 つまり、まとめると。
「モンスターを食べるべきという集団と、俺達は対立している。あの集団は、俺達の代わりに子供達のリーダーになろうとしてるんだ。と、話がそれちゃったけど……そういうこと」

 ――今日の焼却作業が終わって一人になると、慶太は溜息を吐いた。凪に話したことは、いずれ召喚者達にバレる。愛依が話したがらないのも解る。誰だって、こんな気持ちの悪い話はしたくない。でも――
「俺が話すしかないのかな……」
「すみません、ちょっと聞きたいことがあるのですが……」
 玲蘭が火葬場を訪れたのはその時だった。彼女は、見つけた食糧を運ぶ為に車を使いたいのだという。
「車? 勿論いいよ! あ、でも俺の使ってるトラックは食糧載せるのに向かないから、他の車を貸してやるよ」
「ありがとうございます」
「在庫がいっぱいあるなら俺も運ぶの手伝わないとな!」
 そして、慶太は玲蘭と一緒に郊外にあるデパートに向かい、食糧を調達することに成功した。

 9 エピローグ

 ホームセンターに着くと、まどかは野菜の種を選んだ。『初心者向け』と書かれているものを選んで手に取っていく。
「簡単ですぐできるものでしのぎつつ、他の野菜も育てていこう」
 育てるのに時間が掛かりそうな野菜の種は別にして、輪ゴムで纏めていく。そんなことをしながらも、まどかは食糧を増やす方法を色々と考えていた。
(子供達と協力して雑草や海の貝殻をあつめたら、鶏の餌や畑の肥料のたしになるかな……)
 考えつつ、種以外に道具も調達してまどかはまんげつ造に戻ることにした。戻った時にはもう夕暮れで、夕飯を作らないと間に合わない時間だ。
「とにかく、夕ご飯を作ろう」
 まどかは急いで仕度をすることにした。外で聞いてきたのに加え、牢番に頼んでフォックストロットが嫌いな食材を確認してもらう。そして調理場に行き、本日の食材を――
「こっ、こっ、こけっ!」
「…………」
「こ、こけっ!」
「…………」
 見て見ぬふりをしてみたが、それを続けるわけにもいかなかった。今、ここには、まどかしかいない。小さい子を呼んでさせるわけにもいかない。だが、今日の料理には、この雄のニワトリが必要なのだ。
「こけっ!!」
 まどかは木箱に入ったニワトリの首を掴んだ。
「大丈夫、魚と思えばっ」
 調理場から、まどかの悲鳴が轟いたのはそれから数秒後だった。

☆★☆★☆★☆彡


 食事が出来上がり、召喚者や子供達が集まって皆で食べた。ヴォルクやネルネの姿もある。ヴォルクは二桁の犬プラス空クラゲを連れてきたが、なんとかドッグフードを出して彼等のお腹も満たすことができた。
 召喚者達は、それぞれ自分達の持つスキルなどの話をしている。
(私のいた所と似てるようで、みんな違うところから来てるんだな……)
 そんなことを考えながら、まどかも食事を口に運んだ。




 復興度:0.5%

――――――――――――――――――――――――――――――――

<あとがきマスターコメント>

ここまで読んでいただきありがとうございます。リアクションをお届けいたします。
こんなにドキドキしながらの公開はいつぶりでしょうか。多分、数年ぶりだと思います。
新キャラの設定がグロい?
はい、知ってます。知ってます!><
そんなこんなでドキドキしていますが、他はグロくありませんので楽しんでいただけたらと思います。



さて、今の時点で召喚者が得ている情報をまとめさせていただきます。
1、牧場を作る場所が見つかった。牛たちを移動させることを検討
2、水岸トンネルについて
3、森から無事に生肉をゲットする事例が出て子供達のテンションが上がっていることについて
4、ドクター・Dさんの描写内で書かれている情報について

こちらは召喚者全員(翻訳機を持っている全員)が知っている情報として取り扱いいただいて問題ありません。愛依と切菜からメールが届いています。

グロい例の集団に関しては、現在のところフォックストロットさん、霜北 凪さんお二方のみの把握となりますが、次のガイドで共有情報になるかもしれません。ならないかもしれません。

次回のガイドは、なるべく早くと思いますがどういった形態にするのか考えている最中ですので、
こちら本編の続編ではなく番外編になるかもしれません。

それでは、またお会いできます日を楽しみにしております。

――――――――――――――――――――――――――――――――

<定員> なし
<参加締め切り> 2月18日23時
<アクション締め切り> 2月22日23時
<リアクション公開予定日> 3月9日
<リアクション公開日> 3月9日

<参加者>
刀神 大和
アヅキ・バル
織主桐夏
源 ハジメ
リンヴォイ・レンフィールド
フォックストロット
ミーティア・アルビレオ
佳波 まどか
公 玲蘭
セラス・アキュア
ホーリー・ホワイト
霜北 凪
ドクター・D
ヴォルク
ネルネ・ルネールネ

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  1. 2018/03/09(金) 21:36:47|
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