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【キャンペーンシナリオ】アルタン戦記 その2 ~難航~

アルタン戦記 その2 ~難航~


マスター:神明寺一総




 
 タチアナ・ユロフスキーは、食堂に向かっていた。
 織主桐夏から貸して欲しいと頼まれた教本を探すのに予想以上にて間取り、小腹が空いてしまったのだ。いつも通りなら、夕飯のカレーがまだ残っているはずである。

(あれ?明かりが……?)

 食堂のドアの隙間から、弱い明かりが漏れている。今この船は節電中だから、人がいない部屋は全て明かりを消す事になっている。つまり、誰かいるのだ。そしてその人物は恐らく、カレーを食べているに違いない。

(うわ!カレー残ってるといいけど……)

 自然とタチアナの歩く速度が早くなる。最後の数歩は小走りになって、食堂のドアを開けた。

 テーブルの上に、食べかけのカレーが一人分置かれている。まだ手を付けたばかりという様子だ。

(1人だけか、それならまだきっと――)

 食べかけのカレーを横目に見ながら、テーブルの角を曲がって厨房へと急ぐ。不意にその足が何かにあたり、彼女は大きく前につんのめった。とっさにテーブルを掴んで身体を支える。

(一体ナニよ、こんな所に――)

 と言いかけ、彼女は大きくを息を呑んだ。
 目の前の床に、人が倒れているのだ。

「……アレクセイ?ちょっと大丈夫、アレクセイ!?」

 倒れていたのはアレクセイ・アシモフだった。咄嗟に駆け寄り彼を抱き起こそうとするタチアナ。しかしその手に『ねっとり』とした感触が広がる。タチアナは、その感触に覚えがあった――血だ。手のひら全体に、血がべっとりとついている。見ればアレクセイの口から上半身にかけてが、ドス黒い血に染まっていた。

「アレクセイ!しっかりしてアレクセイ!?」

 タチアナの呼びかけにも、アレクセイは全く反応を示さない。返ってくるのは、弱々しい呼吸の音だけだ。タチアナはアレクセイの身体をそっと横たえると、壁のインターホンをひったくり、叫んだ。

「誰か!誰か来て!アレクセイが、アレクセイが血を吐いて――!早く、アレクセイが死んじゃう!!



「――容態はどうです?」
「思わしくない」

 伊丹満貞に訊ねられたレヴィス・マレスティウスは、厳しい顔で言った。彼の視線の先のベッドでは、青白い顔をしたアレクセイが横になっている。エルフであるレヴィスは、その長い人生の中で医師としての経験も積んでいた。専門家ではないが、薬草医として一通りの事は出来る。

「どうやら胃から出血したようだ。だいぶ大量に吐血したようだし、このまま出血が止まらないと危険かもしれない――脈も弱い」
「彼は確か胃を病んでいましたね……胃潰瘍ですか?」
「正確な事はわからない。神楽岡 航君の持ってきた薬の中に胃潰瘍の薬があったので、投与してみたが……。元々胃が弱っていた所にカレーのような刺激物を食べたのが原因かもしれないし、毒を盛られた可能性もある。」
「毒を盛られたんですか?」
「あくまで可能性の問題だ。まだ何も調べてはいないからな。ま、調べた所で、化学的に生成された薬品が原因だったら、詳しい事はわからんだろう。私はそっちの知識はさっぱりでな」
「近代的な科学や医学に精通した人物がいないのは痛いな……。しかし、仮に毒だったとして、一体誰が、なんのために?」
「さぁな。今回の作戦に反対する者の犯行か、あるいは怨恨か……」
「作戦に反対する者?人殺しをしてまで作戦を止めたいと思う者なんていますかね?そんなに計画に不満があるなら、出港前にもっと強行に反対するでしょう。でも、そんな人間はいなかった」
「仮定の話だよ。正直私には見当もつかん」

 レヴィスはそう言って肩を竦めた。

「しかし参ったなぁ……。船長ナシで船を動かせるかどうかを考えただけでも頭が痛いのに、その上さらに殺人未遂の捜査までしないといけないとは」

 うんざりだ、という顔で伊丹が言った。

「わかっているとは思うが、捜査をするなら慎重にな。船員同士の疑心暗鬼を招くような事態は避けたい」
「それでなくてもウチは寄り合い所帯ですからね」

 思い立ったように、伊丹は立ち上がった。

「さて、そろそろ行きます。やる事が山積みなので――アレクセイの容態は、マメに報告して下さい」
「心得た。キミも大変だな」
「ま、大変なのは覚悟の上ですがね――。今はこれ以上厄介事が増えないのを祈るのみです」

 そう言って、足早に医務室を出ていく伊丹。
 しかしそんな彼の願いは、早々に打ち砕かれる事になる。



「……え?嵐が来る?」

 スタルカ号の甲板上で、伊丹は素っ頓狂な声を上げた。
 彼の頭上には、満天の星空が広がっている。

「これ、見てください」

 伊丹はオリガ・ユロフスキーから渡された双眼鏡で、彼女の指差す方を見た。レンズの向こうの空には一面の黒雲が広がっている。

「そんな……過去20年分のデータには全部目を通したんだ!この時期に嵐なんて一度も来たことはないぞ!」

 伊丹は悲壮な声を上げた。

「この距離だと、あと半日もすれば暴風圏内に入ります」
「なんとしても回避するんだ。アレクセイがいない今、嵐に突っ込むのは避けたい」
「難しいとは思いますが……出来る限りの事はします」

 応えたオリガの顔にも悲壮感がありありと浮かんでいる。

「頼むよ」

 伊丹はオリガに双眼鏡を返すと、厳しい顔でその場を立ち去った。


 未だ目的地の影さえ見えぬ間に、『アルタン大陸東部進出作戦』は早くも危機を迎えていた。

――――――――――――――――――――――――――――――――

<マスターコメント>

★注意!★

 このシナリオは『アルタン戦役』というキャンペーンの第3回目になります。これまで一度もキャンペーンに参加していない方でも問題なく参加出来ますが、過去2回の話は読んでおくのを推奨します。


★前回までのあらすじ

 逼迫する物資事情を解決するため、アルタン大陸東部(ア東)に進出することになった召喚者達。伊丹率いる先遣隊は、ア東から救助要請のためにやってきた貨客船スタルカ号の乗組員をメンバーに加え、一路ア東の港湾都市リガティアを目指した。


★アクションについて

 シナリオの舞台は前回から引き続き、リガティアへと向かう航海の途上にあるスタルカ号。
 しかしスタルカ号の行く手には嵐が迫っており、しかも充分な操船技術を持つ唯一の人物だった船長のアレクセイ・アシモフは、吐血して倒れてしまいました。
 プレイヤーは嵐に対処しつつ、何故アレクセイは倒れたのか、その真相を探らねばなりません。


 アクションとしては最低限、

①何をするのか(極力具体的に)
②何処でするのか
③何故それをするのか(行動の意図・狙い)

 最低でも、以上3点を記載して下さい。

 その他、もしいれば

④一緒に行動したいPC・NPCの名前

 も書いておくといいでしょう。




★登場NPC

本シナリオには公式NPC以外に、以下のオリジナルNPCが登場します。

 伊丹 満貞
 レヴィス・マレスティウス

①アレクセイ・アシモフ
②オリガ・ユロフスキー
③タチアナ・ユロフスキー
④マリア・ユロフスキー
⑤アナトーリ・ハバロフ

 伊丹とレヴィスについては【NPC】の項目を参照して下さい。
 アレクセイ以下の①~⑤については、下記を参照して下さい。


①アレクセイ・アシモフ 人間 男 20歳
 リガティア沿岸警備隊の隊員。階級は軍曹。
 船員の中で正規の軍人としての訓練を受けた、ただ一人の人物。
 船を操ったり海図を読んだりといった航海に関する知識を有するただ一人の人物であり、そのため船長を務めている。
 優秀で決断力もあるが生来の心配性であり、そのため船長の職を負担に感じ、ストレスから胃を病んでいた。夜食にカレーを食べた直後に大量に吐血し、意識不明の重体に陥った。


 以下2~4は姉妹。いずれ劣らぬ美形。

②オリガ・ユロフスキー 人間 女 18歳
 整備士。整備士として正規の訓練を受けている。
 船の整備の他、無線を扱ったり計器を読む事も出来るため、アレクセイのサポートを行う事も多い。
 長女という事もあり、責任感が強く面倒見が良い。几帳面な性格。
 アレクセイがいない中、船の舵を取らざるを得なくなる。


③タチアナ・ユロフスキー 人間 女 17歳
 副整備士。正規の訓練を受けておらず、オリガの指導を受け技術を習得した。しかし実際に行えるのは点検と簡単なメンテナンス程度で、修理は姉に任さざるを得ない。
 やや勝ち気な性格で、男勝りな言動もしばしば。姉やアレクセイを気遣うあまり、背伸びする傾向がある。
 アレクセイが倒れてからすっかり寡黙になり、何事か酷く思いつめている様子である。


④マリア・ユロフスキー 人間 女 14歳
 食事の用意から洗濯まで、船内の雑用一切を一手に引き受けている。
 健気な頑張り屋。実は3姉妹の中で一番合理的。
 自分が作ったカレーを食べたせいでアレクセイが倒れたと思い、ふさぎ込んでいる。


⑤アナトーリ・ハバロフ 人間 男 13歳
 リガティアから車で数日の距離にある小さな漁村出身。
 出港していくスタルカ号を見て、父の遺品である小さな漁船で追いかけたもののエンジンの故障により漂流。アレクセイ達に助けられる。
 普段はマリアの仕事を手伝っているが、船長の仕事に興味があるらしく、たびたびアレクセイを質問攻めにしては3姉妹にたしなめられている。ちょうどアレクセイが倒れた直後に、船体下部へと向かう姿を目撃されたのを最後に、姿を見た者はいない。



★スタルカ号

 全長約130メートル。総トン数・総積貨数共に約7000トンの中型貨客船。艦齢約20年。古びてはいるが、充分航海に耐えうる状態である。
 貨客船であるため、一等・二等船室や各種娯楽設備なども備える。
 出港直後に機関が不調に陥って全速が出せなくなり、航海期間が延長。漫月出港時には充分な量の物資を積んでいたものの、不測の事態に備え、燃料節約のため節電を実施している。

――――――――――――――――――――――――――――――――

<定員> なし
<アクション受付> 1月10日23時~
<アクション締め切り>1月14日12時
<参加締め切り> 1月14日23時
<リアクション公開予定日> 1月24日

<参加者>
刀神 大和
ミーティア・アルビレオ
アヅキ・バル
織主桐夏
ホーリー・ホワイト
公 玲蘭
セラス・アキュア
ドクター・D
霜北 凪

参加希望はこちらから↓






アクション送信はこちらから。↓





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混み合っていて表示されない場合は、お手数ですが
parakeet@mti.biglobe.ne.jp
まで直接アクションを送信してください。
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  1. 2019/01/08(火) 12:00:00|
  2. シナリオガイド

【重要】参加受付期間につきまして

いつもありがとうございます。
運営スピードが亀の如しの現在ですが、いのししの如くなんとかスピードアップする方法を模索中です。
今年もよろしくお願いいたします。

表題の件につきまして、
2019年1月8日より、システムを変更させていただきます。

これまでは、
参加受付期間はシナリオガイド公開より2日間でしたが、

それを、参加人数制限なしのシナリオ、もしくは募集人数に達していないシナリオのみ、

「アクション投稿締め切り日の正午まで受け付ける」と変更いたします。

繰り返しになりますが、受付は正午までです。
ガイドの参加者名簿への反映は少し遅くなる場合がありますが、正午までに送信していた場合、その時点で参加決定となります。
アクション締め切りまでに、入金とアクション投稿を完了してください。

急な変更で申し訳ございませんが、何卒よろしくお願いいたします。



  1. 2019/01/08(火) 01:00:46|
  2. お知らせ

緒方唯我(NPC)

準備中 <名前>
   緒方唯我(おがた ゆいが)
 <性別>
   男性
 <年齢>
   20
 <どこから来たのか>
   ネヴァー星
 <種族>
   人間
 <身長> 160cm    <体重> 53kg
 <口調>
   初対面の人、子供以外には敬語(地:~だよ、~だよね)
 <一人称>
   僕
 <二人称>
   ~さん

 <性格>
   素直。普通。






決め台詞

なんでもやりますよ! あれ、どこからか「ん?」という声が……

自由設定

通称「ぎりレア」の召喚者。
ある一定年齢(大体十代半ば)で成長が止まり、病気はなく、事故(怪我)か寿命でしか死なないという星の出身。
普通。
どこまでも普通。
普通の家庭で育ち、普通に学校生活を……どうやらいじめられた経験があるらしい。その為かおどおどびくびくしている印象が強い。
だが、名前の通りに我が強い一面もある。キレたら周りなんか知ったこっちゃない。……らしい。が、キレたところを見た人は誰もいない。
最近は生活に必需となる施設の仕組みについて勉強している。

召喚される前は母や姉達に囲まれて毎日を暮らしていた。
その影響かかわいいものや女装に抵抗がない。ぬいぐるみとかマスコットが好き。
そっちの気はなく男の子。普段はメンズの服を好んで着ている(でもどこかふわふわしている)。

  1. 2019/01/01(火) 12:02:30|
  2. NPC

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