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【コモンシナリオ】第三話 浄水場探索

第三話 浄水場探索


マスター:有沢楓花




 
 まんげつ造のある都市から離れたとある場所に、瀬織市という小さな市がある。
 中心部は都会的な賑わいを見せ、離れれば田畑や牧場も見られる、そこそこ都会、そこそこ田舎という何かにつけ便利な市だ。
 その「そこそこ田舎」な場所に、小川町はあった。


                       *


「水道の汚染の場所と原因だが、更に上流で問題が発生して処理能力を超えているか、浄水場内部で問題が発生したかのどちらかだと思う」
 町長代理の長谷川 陽向(はせがわ ひなた)は、中学校の職員室で、パソコンのモニターに表示した「瀬織市浄水場」のホームページを睨んでいた。
 最終更新日はパンデミック前の日付のまま。簡単な見取り図や施設の紹介に目を通した後、アクセスマップをクリックする。
「瀬織川沿いの道路まで出て上流へ辿る……どこかの建物を借りるにしても、キャンプ道具一式が必要だな。電車が動いていれば……」
「車が運転できればいいんだけど、長谷川は品行方正だもんねー。免許なんて持ってないでしょ」
 向かいでぽりぽりとスマホを見ながらせんべいをかじっている斎藤 雨音(さいとう あまね)が目だけ上げた。
「それは校則で禁止されて……の前に、年齢的に無理だ。斉藤も同じじゃないか」
「そうよ」
「またあっけらかんと……。とりあえず加賀のバイクなら二時間少々で往復出来るだろう。先に道が通っているか偵察を頼みたい」
 加賀 陸(かが りく)が頷いた。
「分かった。機械化部隊も昔は自転車だったというからな」

 調査の結果、小川町から浄水場までの道は繋がっていたことが判明した。
 陽向の呼びかけや、駅前の掲示板に出した浄水場調査部隊募集の張り紙を見た者が集まってパーティが結成された。陸と武器をもった三人の少年たち――前回ホームセンターに行ったメンバーに加え、陽向、雨音、それに召喚者も含まれている。
 生徒会からは人数分の自転車が提供された。何度か獣や怪物の襲撃、迂回、自転車を降りて押していく場面があったものの、朝食後に出発した一行は三、四時間ほどかけて無事昼前に浄水場の正門前に到着した。
 ここまで来て分かったことだが、敷地から川に向けて突き出している搭状の建物――取水塔の周辺は少し生臭くはあるものの、着色がなかった。そして内部からは生臭い匂いがより漂ってきている。つまり浄水場の内部で何か問題が起こったのだろう。
「広いわね……中が良く見えないわ。鍵も見たとおり掛かってる」
 水の魔法が使えるからと同行させられた雨音が、正門の格子の隙間から中を覗く。
 浄水場の周りには外部からの侵入を防ぐためにセメントの塀がぐるりと巡らされていた。正門越しに見える範囲では、芝生の敷地の上に奥に向かって何本かアスファルトの道が延びていた。分かれ道の手前に小さなクリーム色の建物がある。
「正門には鍵が掛かってるわ」
「……通用門の方は……大丈夫だ、開いた」
 陽向がすぐ脇の通用門の閂を隙間から手を差し込んで開けると、あっさりと扉は開いた。
「じゃあさっさと見に行きましょ」
 雨音は通用門を真っ先に潜り、正門横にある事務所のような小さな建物に近づいた。カウンターがあるところを見ると、本来はここに警備員でもいたのだろう。
 カウンターには水滴型の重しがされたパンフレットが置いてあった。
「これ広報用みたいね。この地図によると正面が管理棟……って、あれ何?」
 雨音は眉をひそめた。
 正面の道からSF映画から抜け出してきたようなロボットが脚部のキャタピラを動かしてやってきた。
 細長い電球のような丸みを帯びたフォルムから手足が生えていて、警備服のような青いペイントがされている。
 頭部の目の部分から赤く光るモノアイがこちらを見ていた。
 目をカシャカシャ動かしながら雨音と背後の面々を捉え、合成音が告げた。
「職員ハ、パスコードヲ提示シテクダサイ。見学ノ方ハ、本日担当者不在ノタメ受ケ付ケテオリマセン。マタノオ越シヲオ待チシテオリマス」
「見学できないの?」
「見学ノ方ハ、本日担当者不在ノタメ受ケ付ケテオリマセン」
 同じ合成音を繰り返すロボットの語尾に重ねて、今度は左手からグワッグワッという音が響いてきた。まるで人体よりもずっと大きな体から発せられたような……。
「何あの声……今度は何!?」
 太陽の光りが遮られ、頭上に突然影が出来た――と思った途端、地面にびたんという音を響かせて、それは着地した。
 ヌメヌメとした灰色の肌にぎょろりとした目、大きく裂けた口、でっぷりとした腹……愛嬌があると言えなくもない。小型であれば。
 それは人間の背の二倍ほどもあり、小山のようなフォルムをしていた。
「カ、カエル……生臭っ!?」
 後ずさる雨音の前に陽向が庇うように出て拳銃の安全装置を外した。その後ろで陸や他の少年たちも自身の銃を構えた。
「下がれ、斉藤!」
 カエルは口を開けたかと思うと、ピンク色の舌をシュッと雨音に向かって伸ばした。
 同時に陽向の拳銃から魔力の弾が発射されて舌を打ち、カエルは急いで舌を引っ込める。
 そして先ほどのロボットが何故かカエルに向けてガシャガシャとモノアイを鳴らすと、
「コードヲ認識シマシタ」
 ――こちらを向いた。
「管理権限者ト敵対。三秒以内ニココカラ退避シナイ場合、排除シマス。3、2……」
「逃げろ!」
 陽向が叫ぶ。
「1……攻撃開始」
 モノアイが光り、前に伸ばしたクレーンのような手の中央から覗いた発射口から、魔力の銃弾が発射される。
 先ほどまでいた地面が穿たれ、一行は一目散に管理棟に向かって走り出した。
「止マリナサイ、警告、止マリナサイ……」
「走れ、止まったら撃たれるぞ」
 陸に促されて全員速度を緩めずに走る。背後から発射音とカエルの気配が追いかけてくる。
 途中鼻が曲がりそうな悪臭がした。草むらの上にカエルの物らしき大きな排泄物の塊が見えた。悪食なのか色々な鳥や何かの骨に混じって布の切れ端も見える。
 息を切らして管理棟のドアノブを回す。幸い入り口の鍵は掛かっていなかった。
 最後に入った陽向がドアを閉めると、声はそれ以上追ってこなかった。こちらの姿を見失ったようだ。
「全員無事か?」
 陽向が息を切らせながら点呼している間、加賀が静かに一つの机に歩み寄った。
 一つのパソコンの電源が入ったままになっている。暗い画面をクリックすると、モニターが明るくなって中年男性のバストアップが写った。首から下は制服らしき作業服だ。
 合成音声ではない、録音の音声が流れてくる。
『誰かいるのか? ユウタ、サヤカ、二人とも無事か? パンデミックからどれくらい経ったのか……一年か、三年か? それとも異常があったか?
 所長と数人、ここに残ることにしたがいつまで無事だろうか。
 何にせよ、中央管理室はこの建物の三階だ。何かがあった時のため資料を用意しておいた。紙の資料もこの机の三段目の引き出しに入れてある。慣れが必要だが、最低限の操作はできるはずだ。
 水質管理室は二階にある。
 警備ロボットを敷地内に何体か導入したから、ちょっとした動物の襲撃からも守られるだろう。三階の壁にIDカードがかけてある。所長命令でも出ない限り敵対しない』
「何それ、守られてないどころか襲ってきたんだけど」
 雨音の呟きを録音が気にするはずもない。
『良かったら水質管理室の金魚のベッツィーの無事を確かめてくれ。再度再生するときは俺の顔アイコンをクリックだ。……では、健闘を祈る』

 二階と三階にはロボットが一体ずついた。
 身構えたが戦闘用プログラムは用意されていないらしく、保守に忙しそうだ。
「只今野生生物ガ繁殖シテイル模様。水質ノ汚染ヲ浄化スル為、特別ナ薬品ヲ定期的ニ注入シ、消毒シテオリマス」
 三階のモニターは、専門的なデータを表示するものから、敷地の監視カメラの様子を映したものもあった。
 気になったのはカエルだ。水を消毒する過程で幾つものプールを通るのだが――黒い中心部を持つ丸い物体がゼリー状のものに包まれて浮いており、その周辺でカエルが飛び回っていた。最初に出会ったカエルより少し小さめのカエルが一匹、そして他のカエルたちも多分相撲取りくらいの大きさはある。
 時々警備ロボットが銃で遠巻きにして撃っている様子も見られる。死体が何匹も転がっていた。
「どうする、警備ロボットは全部破壊するか。怪我人は出したくない」
 陸が問い、雨音が口を挟む。
「それより所長を探した方がいいんじゃない? 生きてるか分からないけど」
 陽向は召喚者たちの方を向いて問いかけた。
「……君たちはどう思う? 手分けして探すか、それとも先に脅威を排除するか……カエルか、ロボットか」

――――――――――――――――――――――――――――――――

<マスターコメント>

 こんにちは、有沢です。
 小川町のシナリオ、第三回となります。今回からのご参加も歓迎しております。

 今回の舞台は浄水場です。
 瀬織川に建てられた取水塔から地下のパイプを通って取り入れた水を、浄水し、きれいな水を家庭や工場へ送る場所となっています。
 場所は大まかに分けて四つです。
 今現在いる管理棟は、敷地の様子を確認したり機械のモニタリングをする中央管理室(三階)と、細かい水質を管理するための水質管理室(二階)、その他事務所や休憩室がある一階になっています。
 水は、取り入れられてから異物を排除するため「天井がない池」を幾つか通り、この辺りにカエルが繁殖しています。
 このプール(池)を通った水は、「天井があり蓋がされている池」でオゾンや炭、塩素等で消毒・消臭され、一時保管された後、敷地外の配水池まで運ばれていきます。池とは言っていますがそれぞれの建物の中で消毒されたり、建物の中のパイプを通っていきます。
 三つ目は薬を注入する装置、機械が並んだ建物です。ここは基本的に作業用のロボットが一体いるだけです。
 警備用以外のこれらのロボットは事前にプログラムされた施設の保守を最優先します。簡単な命令はIDカードがあれば多少聞きますが、保守以外の作業はしません。
 なお停電や地震があったときのための貯水槽が更に地下にあるため、現状、小川町の人間だけなら数ヶ月は楽に保つ量があります。
 四つ目として排水処理施設もありますが、今回は問題ありません。

 問題の水の汚染ですが、汚染の原因はカエルの繁殖および、特別な薬品注入の双方によるものです。
 薬品は通常人間が投入や量の調節を判断していますが、今回想定外の出来事(カエルの繁殖)が増えたため勝手に薬品を注入しています。



 その他、前回の繰り返しも含めますが、小川町周辺は現在このような状況になっています。
●海亀公園について
 拠点についてもアクションをかけることは出来ます。
 前回のガイドと基本的には変わりませんが、
 ・井戸を手入れすれば使えそうである
 ・飲料水はペットボトルの濾過装置でそこそこ安定供給がされるようになった
 ・畑は耕されています。何を植えるかは今後のアクション次第になります。
  特に今回アクションがなければ、前回ご希望がでているものから豆が植えられています。
  (畑にはスペースがまだありますが、米は種籾があるものの田んぼは別途作る必要がありそうです)
  ※種・苗リスト
   米、大豆、かぼちゃ、人参、じゃがいも、さつまいも、玉葱、ピーマン、カブ、ほうれん草、小松菜。
   聞けば他にもあるかと思いますが、パンデミック後に残せたものですので、専門店のような品揃えはありません。
 ・ホームセンターからキャンプに使えそうな物を運び入れた


●町の利用について
 町の施設の利用が出来ますが、物資は豊富とは言えません。
 あからさまな監視役はいませんが気にされてはいるので、不審な行動(武器を手に持ったり)は見咎められます。
 まだ住むことは出来ません(怪我などしていれば治療・一時保護はされます)。


それでは、アクションをお待ちしております。
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  1. 2018/07/28(土) 21:40:00|
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